表紙 > 隠居からの手紙 > バックナンバーもくじ > 緑化計画(令和6年6月)
お寺の新しい駐車場を、緑の駐車場にしようと奮闘中です。お寺の普段は、既存の駐車場で間に合っています。新しい駐車場は、大行事の時だけ使うことになりそうなので、舗装せず、芝生を張っても芝生は育つのではないかと考えました。
はじめて見ると簡単ではありませんでした。土が固いのです。もともとは建物があったところですので、建物を壊し、地面を平らにしたのですが、重機を使ったので、地面がカチカチです。悪いことになぜか小石がたっぷり混じっています。鋤(すき)も鍬(くわ)も歯が立たないのです。耕運機を買って耕そうとも考えたのですが、日曜園芸用の耕運機では歯が立ちそうにありません。それに芝生のために一回だけ使うのではもったいない気もしました。
そこで、つるはしを出してきて、20センチほどの幅の溝を、一本だけ東の端から西の端まで作り、そこに一列の芝生を貼りました。あとは、延びるに任せ、それに会わせて小石と草を取っていく計画です。硬い土の上をうまく這ってくれればと思っています。全面芝生になるのは、数年、ひょっとすると数十年かかるかもしれません。
困るのは、そんな硬い土でも、雑草は生えてくることです。300平米ほどの敷地ですので、とても取り切れません。そこで、草刈り機は買いました。電池式で、一回の充電で、全部刈れます。しかし、根は枯れませんので、すぐ新しい芽が出てきます。かなり頻繁に刈らねばなりません。
幸い敷地の端は、重機が入れなかったせいか、比較的土が柔らかいので、植物を植えることができました。東側には、アジサイを10本植えました。もう花が来て、咲き始めました。その後ろには松とアスナロです。松は正月のウメ盆栽についていた松2本で、高さはまだ30センチぐらいです。アスナロは、むかし能登を旅した時に、バスガイドからもらった挿し穂からつくった苗で、日陰に置いておいたせいかまだ50センチぐらいの高さです。3本あります。私が生きている間に私の背ぐらいにはなってほしいものです。
北側には隣家のブロック塀があります。塀から少し離してラベンダーを植えました。土が悪いので、どうかと思いましたが、どうやら元気でいくつかの株には花が咲き、いい香りがしています。ラベンダーと塀の間にはヒマワリの種を蒔くつもりです。
西はデイサービスの駐車場に接しています。そこにはペチュニアを植えたのですが、どうも元気がありません。これからケイトウの種を蒔く予定です。来年はスイセンの球根を埋めるつもりです。
南側は道路です。早春に移植したパンジーの列がきれいでした。その前にポットで育てたハナビシソウを定植しました。いまも盛りです。
東京は便利ですが、緑が少ないのが欠点です。再開発といって古い施設を壊して、そこにさらに大きな施設を作るのが流行っています。おまけのように木が植えられていますが、不十分です。行政がそれを奨励しているように見えます。私の駐車場緑化は、それへのささやかな抗議です。
石川恒彦