表紙 > 住職より > 平成29年9月
日蓮宗には若手僧侶の団体として、青年会が全国各地に組織されています。国外にも、海外布教が盛んなハワイと北米に青年会があります。各都道府県に一つが基本ですが、寺院数の多寡によって数県で一つであったり、いくつかあったりします。東京都は東西南北に分かれていて、各所に青年会があります。「東京都南部日蓮宗青年会」が、私の所属している青年会になります。青年が何歳までなのかは諸説あり、実際に各青年会によって異なりますが、東京都南部の定年は四十歳と決まっています。
今年の四月まで、青年会の会長を務めておりました。札束が飛び交う激しい選挙戦を勝ち抜いた訳ではなく、無投票での選出でありました。会員は大抵同級生が数名いるものですが、私は同級生がおらず、一つ下の会員もおりません。谷間と呼ばれる世代の唯一の会員として、会長に就任した次第です。
それまでは名字で呼ばれていたのが、会長会長と、急に立てられた呼ばれ方をされます。段々とその気になってきます。ふんぞり返って座るようになりました。返事が「うむ」になりました。近頃の若者は、と講釈を垂れる様になりました。食事会では烏龍茶ではなく、黒烏龍茶を頼むようになりました。会計時に「よっ、会長」と言われようものなら、上機嫌でブンブンと万札を放り投げる様になりました。呼び込みのお兄さんが誰彼なく社長と呼びかける理由が良く分かりました。夢のような時間は、一年の任期を終えた今年の四月に終わりました。
檀信徒の皆様に、変化を知られる前であったと信じています。
石川龍彦