表紙 > 隠居からの手紙 > バックナンバーもくじ > 部品が手に入らない(令和4年8月)
家内が歩行器を使うようになりました。福祉用品レンタル会社から借りました。大変気に入っているのですが、この機種の後輪には抵抗器というものが付いていて、必要に応じて横に滑らないようにすることができます。しかし少し出っ張っているので、裾をひっかけたり巻き込むことがあるのに気が付きました。そこでレンタル会社に後輪を抵抗器なしにできないか相談しました。できないといいます。別の機種をいくつか持ってきて貰いましたが、どうも家内の眼鏡にかないません。
そこで、この歩行器を作っている会社に電話して、何か方法はないかと尋ねてみました。すると、車輪は交換できないが、抵抗器を保護するカバーがあるので、それをレンタル会社に聞いてくれと教えてくれました。しかし、このレンタル会社は、それを扱っていないというのです。
歩行器を作っている会社のホームページにはたしかにありました。1,000円です。ところが小売りはしないようなのです。レンタル会社に再度電話して頼むと、弊社では扱わないとの一点張りです。
困って、ネットで調べてみました。ありました。ただ、どのホームページにも病院並びに医療施設専用と書いてあります。駄目もとと、注文してみました。簡単に注文は確定しました。ただし、送料込み2,850円かかりました。
前にも車輪では苦労しました。ある一流事務機会社の事務用椅子を長く使っていました。経年劣化で、車輪のゴムがすり減ったので、会社に電子メールを送りました。すると、もう古くて廃番になっているので車輪はないといいます。再度メールして、市販品で使えるものはないかと聞くと、無いと返事がありました。
この時も、駄目もとと、車輪のサイズを計り、ネットで注文してみました。古い椅子の車輪を抜くのに力がいりまたが、新しい車輪は、カチンと入り、それ以来数年がたち、毎日のように使ってきましたが全然問題がありません。
もしかしたら、歩行器の車輪も取り換えられるかもしれませんが、レンタルですので、勝手にやるわけにはいきません。
最近、白物家電のメーカーが、頻繁なモデルチェンジをやめるという記事が新聞に出ていましたが、大歓迎です。数年前ですが、冷蔵庫の棚板が壊れました。この時も販売店やメーカーに尋ねましたが、廃番で手に入りませんでした。不便ですが、本体は丈夫ですので使っています。
どうも、わたくしたちは、メーカーや流通の都合で、不便を強いられているようです。情報も不足しています。汎用品で、部品を交換できる場合は、取扱説明書に載せたり、企業の問い合わせ窓口が教えるべきでしょう。そもそも汎用品を使って設計できればと思います。
昭和のオッサンである私は、物を大切にするように育てられてきました。紙や水を大切に使っています。衣類も古くなるまで着ています。しかし、社会の無駄使いには手が届きません。環境問題がやかましい昨今ですが、物を大切にできる社会が解決に大切と思います。
石川恒彦