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隠居からの手紙

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衰え2

  いやー、衰えというものではありません。ボケですね。毎月一日に更新している、この隠居の一言、本日六日に電話をもらうまで、10月分の原稿を忘れていました。

  実は、先月の終わりにベトナムに行っていました。普段ですと、旅行の前に原稿を書いておくのですが、
それを忘れました。帰国は10月1日でしたが、それから今日まで、ホームページのことは、一度も頭に浮かびませんでした。

  ベトナムは、若い国です。町で見かける老人が少ないように感じました。統計を見てみると、65歳以上の老人は人口の5.7%しかいません。25歳から64歳の生産人口は52.2%というのですから、日本とは別世界です。

  これは、1975年まで戦ったベトナム戦争の影響です。兵士民間人合わせて、800万人以上が死亡したといいます。その大部分は20歳以上の人だったでしょうから、戦後40年、現在60歳以上の人口が少ないのが肯けます。

  儒教の影響の強い国ですので、この英雄の世代は、家庭で社会で、大事にあつかわれているのではないかと思いました。

  シムカードを買おうと、小さな雑貨店に入りました。珍しく老婆が一人店番をしていました。スマホを見せて、シム、シムといいますと、別の老婆が出てきました。彼女は心得て棚から何枚かのシムカードを出してきましたが、もとより言葉は通じないし、自分の売っているものが何なのかよくわかっていないようでした。すると、どこからともなく高校生ぐらいの女性が表れて、互いに身振りで、通話のできるシムカードを500円で買うことが出来ました。彼女は、私のスマホにカードを装着して、通信ができるのを確かめてくれました。

  店を出て、湖のほとりに降りようとしました。道を渡るのが大変です。オートバイ、自動車、自転車が入り乱れて走ってきます。現地の人は、その間をスイスイと渡っていきますが、異邦の老人にとっては、足のすくむ冒険でした。

  湖に達して、早速、日本に電話をしました。すると何やら、ベトナム語で、案内がありました。ホテルに戻り、日本語のできるベトナム人に聞いてもらいました。ところが彼は、外国に電話したことがないようで、要領を得ません。結局500円を無駄にしました。もう少し若ければ、あちこちいじって、通じるようにできたのにと残念でした。

  今回の旅行の目玉は、フォンニャ・ケバン鍾乳洞でした。かなり広い川を、エンジンボートで約30分遡ると、洞窟の入り口に着きます。そこからは、手漕ぎで洞窟の中に入っていきます。わたくしたちのボートは、舳先をお母さん、艫を息子さんがこいでいました。中は広く高く、変化に富んでいました。帰りは途中で船を降りて、洞窟を見物しながら入り口に戻りました。

  今のは、歯の洞窟。そこから今度は、仙人の洞窟に行きます。聞くと500段の急坂を上るというので諦めました。ところが妻は、行ってくるといいます。私は、茶店でビールを飲みながら、一時間ほど待ちました。
帰ってきた妻は、前の洞窟より、何倍もきれいで壮大だったといます。年をとるのはやっぱり悔しいですね。

石川恒彦

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