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隠居からの手紙

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反・六波羅蜜

  法要の後、短いお話をします。仏教を知っている人知らない人、信仰のある人無い人、子供に老人、なかなか難しいものがあります。わかっているのかいないのか、あんまり反響が無いので、ある大法要のあと、「みなさん、お帰りになる時、家内に、おいしいお茶をありがとう、お菓子もおいしかった、といって玄関を出ますが、たまには、良いお話をありがとうといって、帰ってほしい」と話しました。大爆笑でしたが、それからは、時々褒められるようになりました。何故だかわかっているので、あんまりうれしくありません。
ある結婚式の控室で、一人の老紳士が話しかけてきました。

  「住職、うちの息子は、反・六波羅蜜です」
  どうやら、檀家の親戚らしく、前の月の年回法要で私の話を聞いたようです。

私は六波羅蜜(ろくはらみつ)を次のように説きました。
  「仏道修行に限らず、人間、自分を向上させようとしたら、次の六つの徳目を心がける事が大切です。
    1 布施;欲張らずに、自分の者を他人に分け与えることです。
    2 持戒;決まりを守ることです。
    3 精進;努力することです
    4 忍辱;我慢することです。
    5 禅定;反省することです。
    6 智慧;この世を幸せに生きようとしたら、正しい智慧が必要です。」 

  老紳士は言います。
「息子は、何にも私にくれません。親の言いつけを守りません。努力ということを知りません。私が何か言うとすぐ、反発します。反省しません。学校の先生ですが、智慧はありません。」
「そう言われてみると、私も、反・六波羅蜜です」と、答えました。老紳士の頬がちょっとゆるんだようですが、話はそこで終ってしまいました。

平成22年4月
石川恒彦

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