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隠居からの手紙

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上申書

  鳩山首相が、母親からもらったお金について東京地検に上申書を出したという。何かおかしいと思いませんか。いや、私の言っているのは鳩山氏の金銭感覚についてではありません。上申書という言葉についてです。
  上申書は正式の法律用語ではないようです。警察、検察、税務署などに対して、建前上、自主的に意見を述べる書類です。広辞苑によると(最近は信用しない人も多いようですが)、上申は上司に意見や事情を申し上げることとあります。

  つまり、お上に自分の意見見解を申し上げる書類です。一国の首相がその配下にある、検察に上申するとは、おかしなことです。それを不思議とした報道にも、お目にかからないとは、これ又不思議です。大体、官から政治にを標ぼうする民主党政権が、まるで、官に屈しているように見えるのも変です。上申書に対するのは、下達書ですが、この場合これは適しません。意見書、説明書、弁明書などと呼ぶのではないでしょうか。
  自主的に意見を述べると言われますが、役所によっては、上申書という書式があって、それに自分の意見を書き込むようになっているそうです。役所が、あるいは、役人が、自分は国民の上位にあるという姿勢が明らかです。

  差別用語と言うのがあります。非人、廃人、アメ公、ポリ公、など、差別の意味と意図が明らかな言葉があります。さらにその言葉には、本来、差別の意図も意味もないのに、その状況が差別的であるというので、その言葉が差別用語だといわれる場合があります。養老院、沖仲士などがそうだと言われます。はたして、こちらのほうは、本当に、使ってはいけない言葉かと言うと、ちょっと、疑問が残ります。

  私は、ビッコですが、足の悪い住職と呼ばれても、ビッコの住職と呼ばれても、別に違う感情を持ちません。足の悪い住職と呼ばれて、意地悪な意図が含まれていると感じる時もあります。ビッコと呼ばれて、愛情を感じる時もあります。要は、その言葉を使う人の心の持ちようです。

   上申書には、明らかに、差別感情が含まれています。官民の差別感情です。現在使われているような場面では、使われてはいけない言葉だと思います。もし、法律でこの言葉が使われようとしたら、必ず、反対の声が上がるでしょう。それが、法律の目の届かないところで、根強い官尊民卑の伝統の中で、使われているのです。隠れ官尊民卑です。

  上申書に限らず、隠れ官尊民卑は、たくさん残っているのではないでしょうか。検証が必要だと思います。
いずれにしても、上申書は」総理大臣が提出する書類ではありません。

平成22年1月
石川恒彦

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