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隠居からの手紙

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困った

 どうしたらいいのか困っています。
  拙寺の永代供養廟「久遠林(くおんりん)」の門をくぐると、墳丘の前に焼香台があります。焼香台には昼間はロウソクの火が点いていて、そのロウソクを使って、線香に火を付けられるようになっています。また、久遠林(くおんりん)の入り口と、林内のテーブルに、久遠林(くおんりん)の紹介書がおいてあります。

  それが、ここのところ毎日のように、パンフレットを、ロウソクで燃して、焼香台に詰め込む人が現れました。誰だか分りません。見回りを増やしているのですが、捕まりません。だんだんエスカレートして、石畳の上に、火のついたパンフレットを置くときもあります。幸い辺りは石に囲まれていますので、火事の心配は今のところありません。

  気持ちが悪いので、監視カメラをつけたらどうだという話が出ました。私は、お参りする人を監視するようで、気が進みません。家内がお参りに見える方々に意見を聞いたところ、カメラが付いているほうが安心だという方が多いといいます。静かな境内で一人でお参りをすると、不安を感じる人が意外に多いようです。安心のためなら監視カメラもやむを得ないと考える方も多いようです。

  どうしたらいいかと迷っていると、掃除のおじさんが犯人を見つけました。なんと、隣の小学校の男女三人組でした。子供のいたずらではしょうがありません。良く言い聞かせて、帰しました。それがまた、同じ三人組が火をつけているのを、おじさんが見つけました。今度は家内が少し強めに説教して、帰しました。それからしばらくはいたずらがありません。
  そこで困っています。

  まず、監視カメラをつけたものかどうか。子供の火遊びに限らず、境内ではいろいろの事が起こります。花や木がいたずらされるのはしょっちゅうです。得体のしれない人がうろうろしているときもあります。それでも寺の境内は基本的には平穏です。監視とは一番遠いい場所と考えたいのです。それなのに、万一何か起こったらと、心が揺れます。

  次に子供たちのことです。私だって、いたずらをしました。いたずらは大人に怒られるぎりぎりまでやるのが面白いのです。運悪く大人に見つかると当分は控えます。その間に新しいいたずらが見つかれば、そちらに移ります。そうでないと、ほとぼりが冷めたころにまた繰り返します。そして、いつの間にかいたずらをしないようになります。

  あの三人組が、また火遊びに来るのは五分五分でしょう。そのときどうするか。彼らと仲良くなるというのはどうでしょうか。そして、「お寺の坊さんが困っていることはやめよう」ということになれば成功です。それとも許されたと思って、また繰り返すでしょうか。あるいは学校帰りの子供をお寺に連れ込んで遊ばせていると非難されるでしょうか。

親を呼んで話しましょうか。親は理解してくれるでしょうか。てんから否定されたり、寺の管理が悪いからうちの子がこんなことをするのだと非難されないでしょうか。あるいは子供を頭ごなしに怒るでしょうか。 
小学校に話しに行くという手もあります。果たして、「教育的指導」をしてくれるでしょうか。むしろ「保身的指導」を受ける恐れがあります。教育委員会や、警察に通報され、おおごとになるのは嫌です。子供たちが大人になって、「あの時はやばかったな」と大笑いできるような、そういう解決法が見つからずに困っています。

平成20月11月
石川恒彦

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