メニュー
1318年 日朗菩薩草庵 1688年 南谷壇林 2002年 久遠林
お問い合わせ
アクセス

隠居からの手紙

表紙隠居からの手紙バックナンバーもくじ > 医療事故(平成18年6月)

医療事故

 医療事故はあってはならないといわれます。また医療事故は避けられないともいわれます。

わたしはいま父の療養を妻と手伝っています。病院に通い充分な訓練を受けてきました。二人ともどちらかと言えば慎重な性格です。それでも間違いを起こします。

 告白Ⅰ 血糖値を計る針を刺すとき、皮膚の消毒を忘れました。

 告白Ⅱ 使い終わった針を新しい針の山に放り込んでしまいました。(古い針があるとおぼしき付近の針を全部捨てました。それでも一週間ほどは気になってしょうがありませんでした。)

 告白Ⅲ インシュリンを打ち終わったとき、自分の皮膚に針を刺してしまいました。(まさかおやじはエイズではないと祈りました。)

 告白Ⅳ 腹膜透析のとき、開始操作と終了操作を間違えました。

 告白Ⅴ 腹膜透析のとき、机を動かそうとして、腹から出ているカテーテルをひっぱってしまいました。

 告白Ⅵ 腹膜透析のあと、排液袋を完全に閉めずに、床をぬらしました。

 告白Ⅶ 車椅子を押して廊下を曲がるとき、柱に父の足をぶつけました。

 重大な医療事故にあった人々にとって、医療事故は避けられないと聞くことはつらいことでしょう。しかし私たち夫婦は、十分注意をはらっているつもりでも、失敗はあるものだ、医者が失敗しても、あまり強くいえなくなったなと、経験を積んでいます。

平成18月6月
石川恒彦

Copyright (C) 宗教法人 照栄院. All Rights Reserved.