表紙 > 隠居からの手紙 > バックナンバーもくじ > 赤水晶社(3)(平成18年2月)
赤十字、赤新月に加えて、新たに採用された、赤十字社の三つ目の標章「赤水晶」について、外国での反応を見るため、グーグルの英語版を検索してみました。
だいたいは新聞社や通信社の記事で、イスラエルを入れるために中立的標章を採用したのだと書いてあります。各国の赤十字社のホームページも事実を客観的に伝えるのみです。 ひとつ目立ったのは、アメリカの個人が呼びかけているホームページで、十字こそが慈善の象徴なのだから、宗教的に中立になろうとする、赤十字社には寄付をやめようというのがありました。どうも誤解があるようで、イスラム諸国に認められている赤新月についての記述はありませんでした。
仏教国の赤十字社も特段の関心を示していません。日本赤十字社も、ニュースとして赤水晶の採用を流しましたが、日本が赤水晶章を採用する気もありませんし、現在日本の法律で保護されている赤十字や赤新月に加えて赤水晶をも保護するように法律を改正する動きもないようです。
しかし、前述のアメリカ人の呼びかけからも明らかなように、なんといっても十字はキリスト教を現します。非キリスト教国の日本が中立的赤水晶を採用するのは意味あることだと考えています。
石川恒彦