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隠居からの手紙

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手をかけない

 長年、園芸を楽しんでいます。最近、気が付いたのですが、私がほめられるのは、決まって、手をかけない種類の植物です。たとえば、ヘレボラス(クリスマスローズ)です。水もやらず、肥料もやらず、剪定もせず、消毒もしません。すると、4,5年で、大きな株に育って、人からほめられます。

 手のかからぬ花を育てる極意は、手をかけないことにあります。ところが、たいていの人は、手をかけなくて良いものに手をかけて、だめにしてしまいます。水のやりすぎ、肥料のやりすぎ等々、本来強い植物を弱らせてしまうのです。

 若い頃は、蘭やバラなどの、手のかかる植物を手がけてほめられたこともあります。しかし、よくよく考えると、うまく行った年は、手引き書を片手に、世話のしまくり、という年ではなく、少々余裕の気持ちで、適当に手を抜いた年だったように思えます。

 人を育てるのも同様な気がします。人間は本来、自分で成長していく力を持っています。ところが、人を育てようとして、あまりに手をかけるので、ひ弱な、人の助けがなければ生きられない人間を作ってしまうように思えるのです。

平成17年4月
石川恒彦

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