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隠居からの手紙

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四苦八苦

私の寺の鯉は、贅沢にも、毎年新潟へ避暑に行きます。秋が深まるまで滞在して、まるまると肥って帰ってきます。今年も一匹の鯉が選ばれて山古志村へ行きました。そこへあの新潟中越地震です。これはだめだとあきらめました。

  ところが、鯉屋さんが航空写真を子細に見ると、私の寺の鯉がいる池は無事に見えます。早速助けに行ってくれました。寸断された道路をなんとかたどって、池に着くと、たしかに鯉は元気でした。しかし、その鯉を自動車のあるところまで運ぶのが大変で、四苦八苦だったといいます。

  四苦八苦は、ふつう、沢山の苦労という意味で使われています。これは仏教から来たことばで、もともとは内容が決まっています。

  主要なのが四苦で、生きる苦しみ、老いる苦しみ、患う苦しみ、死ぬ苦しみです。

  これらの苦しみを別の角度から見た四苦があります。愛するものと別れる苦しみ、憎むものと一緒にいる苦しみ、求めても得られない苦しみ、五感で感じる苦しみです。両方合わせて八苦となります。

人生は苦に満ちています。その苦を逃れて、歓楽や苦行に走ることも、あきらめて何もしないことも、苦を克服する道ではないと、お釈迦さまは説かれました。

  中道を行け、と、お釈迦さまはおっしゃいます。その中道を行くのに私たちは四苦八苦しています。


平成16年12月
石川恒彦

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